水力発電

更新日:2017年11月16日

火力発電と同様に古くから行われている発電方法です。日本では明治時代に初めて水力発電が行われたという記録が残されています。水の流れを利用して発電するため、何かを燃料として燃やす必要がないという点が大きな特徴です。

また、山地や河川が多い日本は他国と比べても水力発電に向いていると言えます。

仕組み

水力発電の仕組み

後述する各種類によって使用する設備に違いはあるものの、基本的にはこちらのイラストのような仕組みで発電を行います。大規模な発電を行うためにはダムが必要となりますが、小規模で構わない場合はダムを使用しなくても発電ができます。
(イラスト出典:四国電力

主な設備

  • 取水口
    その名の通り、発電を行うための水を河川や湖から得る設備です。ゴミを取り除く除塵機も設置されています。

  • 沈砂地
    水に含まれる土砂を取り除くための設備です。ダムがある場合はダムそのものが沈砂地としての役割を果たします。

  • 導水路
    取水口で得た水を水槽まで運ぶための道です。圧力をかけて水を送るタイプと、自然に流水させるタイプがあります。

  • 水槽
    水の流れる量を調整するための設備です。ヘッドタンク・サージタンク・調整池などとも呼ばれます。なお、ダムを使用する場合は必要ありません。

  • 水圧管路
    水槽から発電所まで水を流すための道です。主に急斜面に設置されます。

  • 発電所
    実際に水の流れを利用して発電をするための建物です。水車発電機や変電設備などが設けられています。

  • 放水路
    発電に使った水を放水するための道です。水は放水路を通って放水口から河川へと出て行きます。なお、取水する河川と放水する河川は同一でないこともあります。

使用する燃料

冒頭の通り、水力発電では燃料を使いません。水という再生可能エネルギーだけを用いて発電することができます。

種類

  • 水の流し方による分類
  • 流れ込み式
    河川などを流れている水をそのまま利用する方法です。

  • 調整池式
    調整池で一度流水量を調整してから利用する方法です。

  • 貯水池式
    河川を一度ダムで堰き止めてから利用する方法です。

  • 揚水式
    発電所の上部と下部に調整池を設ける方法です。発電に使った下部の調整池の水を汲み上げて再び上部の調整池に運び、そして繰り返し発電を行います。

  • 利用する設備による分類
  • 水路式
    水路を用いて落差を得られる場所まで水を運び、そこで発電を行う方法です。

  • ダム式
    ダムを用いて貯水池を造り、そこの落差を利用して発電する方法です。

  • ダム水路式
    ダムによって貯められた水を水路で運び、落差のあるところで発電する方法です。

メリット

  • 日本は水資源に恵まれている
  • 日本には流れが急な河川が多い
  • 揚水式を用いてピークシフトが可能
  • 小規模の発電所なら電力の大消費地近くにも建設可能
  • 水という再生可能エネルギーかつ純国産エネルギーを使う

デメリット

  • 大規模な発電所は電力の大消費地から遠いため、送電ロスが発生する
  • ダムを必要とする場合、建設費が膨大にかかり、そして自然破壊も行われる
  • ダム決壊などの事故が起きた場合、人や民家などへの大きな被害が発生する恐れがある

賛成意見

●●水力発電はエコな発電方法で、問題が少ない方法だと思うので賛成です。

水力発電を行う時にはダムが必須なので、当然建設コストは高く、村や山などがいくつもつぶれてしまうのは大きなデメリットです。しかし、出来上がってしまえば、その後数十年にわたって継続的に使えますし、治水や貯水も行えるので副産物のメリットが結構大きいと思います。

加えて、ダム湖は大きな観光資源にもなりますので、水上公園を作れば新たな憩いの場が広がりますし、公共事業で作られる設備としては結構役立つのではないでしょうか。

もちろん作りすぎる必要はありませんし、一つ一つの発電量が少ないのは問題だと思いますが、同じくCO2を排出しない原子力発電との併用が最も効果的だと思います。

また、他の発電方式と比べて、施設の耐久性やメンテナンスの簡単さもメリットと言え、トータルで見ればその分のコストは浮いているのではないでしょうか。個人的には釣りが好きなので、新たな釣りスポットが増えるのもメリットの1つです。

●●水の力は強いです。津波を見ても、すごい力を持っていることはよくわかります。その水の力を使って、水力発電を行うことは素晴らしいことだと思います。

発電時に、地球に悪影響を与えるものは排出されません。温室効果ガスを排出しないので地球温暖化対策になります。将来のことを考えると、地球のためにも子供たちの将来のためにも優れた発電方法です。

日本は山がたくさんあるので、水力発電は向いています。小さな発電であれば、川や用水路を使っても発電できます。経済的に見ても、他の発電方法よりもコストを抑えることができます。

どの発電方法にもメリットデメリットはあります。しかし、この水力発電は、人体に影響を与えないというメリットが最大の賛成理由です。今あるダムを大いに活用して、水力発電を盛りあげていってほしいです。古くなっても、補修工事をすればまだまだ使えるはずです。

●●私は今の日本に水力発電は必要不可欠だと思うので賛成です。日本は森林の国です。日本の河川は、長さこそ短いものの、その高低差は世界でも希なレベルです。この高低差を利用した水力発電は、日本の地理的にも最も適した発電方法だと思います。

実際に北欧フィンランドでは、その土地の立地を生かした水力発電で100%電気をまかなっています。日本も100%までとは不可能だとしても、原子力発電の危険性を考えると、もう少し水力発電による発電量を増やす方向を考えてもいいと思います。

水力発電は、あまり知られていませんがエネルギー変換効率がどの発電方法よりも一番良い発電方法です。水力発電は液体の水がタービンを回すことで電気を発生させます。

原子力発電・火力発電・地熱発電など、これらの発電方法は水を加熱して発生した気体がタービンを回すために、そのエネルギー変換効率がそれほど良い発電方法ではありません。なので、私は日本に地理に適していて最もエネルギー変換効率が良い水力発電に賛成です。

反対意見

●●自分は水力発電は反対です。理由は、ダムや発電所を作る際、森林伐採をして自然環境を破壊してしまうからです。

「水力発電は二酸化炭素を排出しない」「光化学スモッグや酸性雨などといった大気汚染の原因となる酸化物が排出しない」とは言われますが、自然破壊の観点から、環境にはいいとは言いがたいです。ダム建設にも莫大な費用がかかるので、そこも問題です。

山が多く、起伏の大きい日本は水力発電には向いているかもしれませんが、今の日本国内には新たに大型ダムを作るのは困難です。ダムを建設して故郷が水没してしまった人もいると思います。そう考えるとどうしても水力発電はいいとは言えないです。

あと、長年使っていると、ダムの底に土砂が溜まってしまって発電量が落ちます。雨の降る量によって左右されやすいのも欠点です。安定的して電気を供給できないのに、中途半端に開発だけするのはいかがなものかと思います。

以上のことから、自分は水力発電には反対です。ただ、超小型水力発電で家庭でも発電できるようになったらいいですけどね。

●●水力発電は、発電をする上ではクリーンなエネルギーですが、発電所を建設するのは自然に負担が大きいため反対です。

ひとたびダムを建設してしまえば、長期的に水の力だけで発電を行えます。しかし、その一方で大規模な森林伐採を行わなければ建てることができません。しかも、ダムの作成の為だけに道を整備しなければならず、伐採範囲は広範囲にわたり、環境への負担を大きくします。

また、日本の場合には大規模なダムの建設が難しく、仮に水力発電を推進していった場合には、全国に中小規模のダムが乱立する可能性もあります。しかも、安定的に発電できるわけではなく、降水量で発電量は変化する上に、長期的な使用でダムに砂利などが溜まり、発電量は年々減少してしまいます。

元々は、クリーンエネルギーとして注目されているのはいいのですが、結局のところは多大な負担を環境に強いているのが現状だと思います。日本の生態系の保全を考えても、水力発電は望ましいとは思えません。

●●水力発電所はCO2排出もなく、他の発電方式に比べて危険性や発電機メンテナンスのコストが少ないなど、メリットが多い発電方式です。しかし、発電量の少なさはやはり問題で、水力発電で不足している分を火力で補っている現状です。

しかしながら、もっと問題なのは、やはりダムが乱立し、公共事業費がどんどんかかることだと思います。

ダム自体は治水や飲み水確保など必須な施設ではありますが、その必要もない場所へのダムの無駄な建設が多く、たいして発電量が見込めない場所であるにもかかわらず、公共事業だからという理由だけで中止にもならず、ダムが増加していくのが悪い点です。

昭和のバブル期に計画されたダム建設が、必要がなくなったにも関わらず続けられている例はたくさんあります。

魚やその他水生生物、植物への影響も大きく、水力発電の拡大という理由以外で建設されるダムにはストップをかけなければなりません。

結局、発電量が見込める場所への適切な発電所の建設と、不足している分は原子力発電で補い、火力発電を減らす。この道筋しか温暖化対策にはならないと思います。

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日本には火力発電と同じように水力発電も多数の発電所が設置されています。地方別や都道府県別に発電所を「DoCoJapan(ドコジャパン)」という姉妹サイトにまとめています。大規模なものから小規模なものまで取り上げています。