バイオマス発電

更新日:2017年11月16日

数ある発電方法の中でも、資源の有効活用という点で強みを持っているのがバイオマス発電です。

まだ発電所の数が少なく、日本全体での発電総量も小さいのですが、風力発電や太陽光発電と同じ再生可能エネルギーを使った発電方法であることから、国(電力会社)の固定価格買取制度の対象に含まれています。

仕組み

バイオマス発電の仕組み

こちらをご覧頂ければお分かりかも知れませんが、仕組みそのものは火力発電や原子力発電と似ています。バイオマス発電では燃料としてバイオマス資源を使っているという点が特徴です。

また、多くの場合、発電だけではなく同時に発生する熱も有効活用できる仕組みとなっています。(イラスト出典:日本自然エネルギー株式会社

主な設備

  • ボイラー
    燃料を元に火をおこして、水から蒸気を作り出す設備です。

  • 蒸気タービン
    蒸気の力で回すタービンです。発電機に繋がれています。

  • マイクロガスタービン
    ガスの力で回すタービンです。発電所や工場用に小型化されたものをマイクロガスタービンと言います。

  • ガスエンジン
    バイオガスを用いて発電するためのガス専焼機関です。

  • 復水器
    蒸気を使ってタービンを回した場合、使用後の蒸気を水に戻すための設備です。

  • 熱交換機
    マイクロガスタービンやガスエンジンを使って発生した熱の温度を再利用できるように変更するための設備です。

使用する燃料

  • 木質燃料
    建築廃材や林地残材などを加工して作られた木質チップや木質ペレットなどを指します。

  • バイオ燃料
    トウモロコシやサトウキビなどといった穀物を発酵して作られたアルコールを指します。バイオエタノールとも呼ばれます。

  • バイオガス
    生ゴミや汚水や汚泥などを発酵して作られたガスを指します。

種類

  • 汽力発電
    蒸気ボイラーを用いて発電するタイプです。

  • 内燃力発電
    ガスエンジンやマイクロガスタービンを用いて発電するタイプです。

  • コンバインドサイクル発電
    まず内燃力発電方式で発電を行い、その際に発生した熱を利用して水を熱し、蒸気を発生させ、汽力発電を行うという方式です。

メリット

  • バイオマスという再生可能エネルギーを用いて発電する
  • 再生可能エネルギーを対象とした固定価格買取制度を利用できる
  • カーボンニュートラルである(二酸化炭素を増加させないという考え方)
  • 廃棄していたゴミや廃材などを有効活用できる(循環型社会を構築できる)
  • 農業や林業や漁業を中心に営んでいる地域に新たな収入源ができ、経済的な活性化に繋がる

デメリット

  • バイオマス資源の調達と保管にコストがかかる
  • 仕組みが似ている火力発電や原子力発電と比べると発電コストが高い
  • 本来食用であるはずの穀物が燃料として用いられることで、穀物の価格が上昇する可能性がある

賛成意見

●●バイオマス発電は、今後期待されているエネルギーの中でも画期的なものでしょう。なぜなら、ただそこにある自然を利用するというわけでもありません。今までゴミとして捨てられるようなものも利用できる可能性があるからです。

従来型の発電は、必ず自然環境にダメージを与えたり、環境を悪化させていくようなものでした。しかし、バイオマス発電は、発電とはまったく別の廃棄物の問題まで一緒に片づけてしまうことができるのです。

今まで廃棄されるだけのものを発電のエネルギーとして再利用できるということは、画期的なことなんです。

コストがかかるとは言われていますが、クリーンなエネルギーを使うためにはそれ相応のコストを負担すべきだとも言えます。また、今後技術が発展してに従ってコストも低くなっていくでしょうし、普及していけばさらに下がっていくものと考えてよいのではないでしょうか。

ちょっとした意識の変化で、そういった新しいエネルギーを取り入れることができると思うと、未来にも希望が持てますね。

●●私は、バイオマス発電に賛成です。その理由は、バイオマス発電がカーボンニュートラルという考え方に基づいて行われているからです。バイオマス発電では、燃焼させる燃料を、主として植物や木に依存しています。

物を燃やせば当然二酸化炭素が発生しますが、バイオマス発電の場合燃料が光合成により二酸化炭素を吸収するので、発生した二酸化炭素と吸収した二酸化炭素が相殺し合います。その結果、バイオマス発電では、理論上は二酸化炭素が発生せず、地球環境に優しい発電方法になるのです。

今現在、地球温暖化がデータ上からも明らかに進行している中、バイオマス発電は、救世主になりうる発電方法だと思うのです。

現在の主流な発電方法である火力発電は二酸化炭素を大量に放出しますし、原子力発電は放射性廃棄物の処理が問題視されています。そんな中でバイオマス発電は、デメリットの少ない有望な発電方法なのです。バイオマス発電がさらに普及することを望みます。

●●バイオマス発電については、基本的に私は、賛成です。資源の少ない日本では、電力を安定的に確保するには、色々な発電システムを利用することが良いと思います。火力・原子力・水力、その他の発電システムの一つとして考えると良いと思います。

日本は、木材加工カスや家畜の糞車が非常に多い社会なので、廃油や穀物のカスなどの廃棄物を有効に利用することにより、ただのゴミからエネルギーを取り出せるのは、大変効率が良く、ゴミの再利用ができて環境にも優しいことだと思います。

核燃料を利用する原子力発電について、福島の惨事を見て反対するのはわかるが、バイオマス発電に反対する意味が私には全く理解できません。現在技術が発達して、今迄はただ捨てるだけのゴミだったものから新たなエネルギーを取り出せるのは、革新的だと思います。

ただ、家畜の糞や廃油を利用するにあたっては、周りの住民に十分配慮する必要があると思います。家畜の糞に対しては、衛生面に配慮が必要だし、廃油の場合はガス爆発等の安全面に配慮が必要です。

反対意見

●●私はバイオマス発電に疑問を持っています。どちらかというと反対の立場です。確かにメリットはたくさんあると思うのですが、主に二酸化炭素について心配をしています。

バイオマス発電のメリットとしてカーボンニュートラルが挙げられていますが、それ自体は電気を作ることだけに関して適用されることではと考えています。

つまり、その燃料を発電所に運ぶまでに排出される二酸化炭素は考慮されていないのではということです。1度の運搬の排出量は微量かもしれませんが、それでも完全なカーボンニュートラルとは言えないと思います。

今後、バイオマス発電の量が増えれば、燃料がより必要になり、運搬量も増えることは明白です。そうなれば、微量だった運搬の際の二酸化炭素も、無視できない量にまで増えてしまうのではないでしょうか。

私は少なくともこの問題がクリアにならない限り、バイオマス発電には反対という意見は変わりません。早急にエネルギー問題が解決されることを望んでいます。

●●自分はバイオマス発電には反対です。

反対の理由としては、植物を始めとする生物由来の資源を燃料として使うために食用の作物栽培が減る可能性があるからです。食用の作物が減れば、自然と野菜や果物は価格が高騰していき、自分達のお金では食べれなくなるかもしれないからです。

あと、コストがかかりすぎる点も反対理由の1つです。発電所を建設するためのコストは当然かかりますが、バイオマスの収集作業にコストが意外とかかりすぎます。そして、集めたバイオマスの管理や加工をするのにも、コストがかかりすぎています。

この広くない日本の領地に、バイオマス発電ができるほどの十分なバイオ燃料があるのかと思います。十分に燃料を生産するには狭すぎますし、広めようとすれば山や熱帯雨林などを切り開かないとダメになります。そうなれば再生エネルギーの意味がありません。

確かにバイオマス発電はメリットも多いですが、デメリットの内容が大きすぎるので、自分はバイオマス発電には反対です。

●●木材や農業廃棄物などのエネルギー資源は、炭酸同化作用によって太陽の光を吸収して空気中の二酸化炭素を増やしません。エネルギーとして利用する際に、燃焼などにより二酸化炭素が排出されますが、植林や農作業により大気中の二酸化炭素を吸収します。

このため、バイオマスを利用することにより、大気中の二酸化炭素が増加することはありません。確かに、化石燃料の代わりに利用すれば、二酸化炭素の排出を抑制できます。

しかし、発電を行うには発電所の建設、建築資材に関わる資材の運搬、送電線の設置、開発工事などの課程で大量の二酸化炭素を放出することになり、結果、大気中全体で考えた場合、発電所の建設が増えれば、やはり大気中の二酸化炭素量は多くなる可能性があります。

また、発電に利用するバイオ燃料の原料となる農作物をつくるために、森林を開拓するなど、結果的に自然破壊が進み、環境が悪化する可能性があります。

さらに需要が高まれば、野菜などを育てる農家が生産を切り替え、結果、食物が不足して価格高騰を招く要因にもなりかねません。このような問題点があるため反対です。

関連性の高いエネルギー

バイオマス発電所一覧

冒頭でも触れましたが、再生可能エネルギーとして注目を集めているものの、発電所の数自体はあまり多くありません。姉妹サイトの「DoCoJapan(ドコジャパン)」では日本全国のバイオマス発電所を都道府県別に分けてご紹介していますので、お近くの発電所をお探しの際などに役立てて頂ければと思います。