燃費

複数の自動車を比較する材料としてよく挙げられるのが「燃費」です。自動車は購入時に百万円単位のお金がかかりますが、購入した後も車検代や保険代などといった維持費がかかりますので、燃費を考慮することはとても重要です。なお、「燃費性能」と表記されることもありますが、こちらでは「燃費」の表記で統一しています。

燃費とは

本題に入る前に燃費について簡単に解説させて頂きます。燃費とは自動車や二輪車における燃料消費率を意味します。「定地走行燃費」と「モード走行燃費」という2種類の形式がありますが、どちらにも共通して言えることは「燃料1リットルで、どれだけの距離を走行することができるかを示している」という点です。

定地走行燃費

かつて採用されていた燃費の計算方式です。「アップダウンのない平坦な定置を一定の速度で走り続けた場合の燃費」を表示するというもので、加速や減速を考慮しないため、実際の走行よりも数値は良くなります。日本では法律で定められた制限速度の上限である60キロを燃費測定時の速度に設定していました。

モード走行燃費

定地走行燃費では実態にそぐわないとして、新たに誕生したのがモード走行燃費です。こちらは発進や停止やアイドリングなども含めているため、定地走行燃費よりは数値が悪く出ますが、消費者の実際の走行時の数値に近づくという特徴があります。

なお、現在は「10・15モード燃費」というタイプの表示が一般的です。これは市街地での走行を想定した10のパターンと、郊外での走行を想定した15のパターンを組み合わせて算出するという方式です。

燃料電池車の場合

一般のガソリン車の場合は「ガソリン1リットルあたりの走行距離」が燃費になりますので、燃料電池車の場合は「水素1リットルあたりの走行距離」と言えます。ただし、ガソリンが液体であるのに対して、水素は気体であるため、充填時の圧力によって燃費の数値が大きく変わります。

実例

比較項目 ホンダ FCXクラリティ トヨタ FCHV-adv
航続距離 620km(10・15モード) 830km(10・15モード)
水素充填圧力 35Mpa(約350気圧) 70Mpa(約700気圧)
水素タンク容量 171リットル 156リットル

上の比較表の通り、水素タンクの容量はホンダの方が大きいのですが、充填圧力が異なるためトヨタの方が航続距離は長くなっています。

なお、どちらも市販されていない段階ですので、ホンダかトヨタのどちらかが優れていると断言はできません。燃料電池車の市販ができる頃にはホンダも70Mpaになるかもしれませんし、もしくは両社とも更なる高圧力化に成功するかもしれません。

水素の価格

比較項目 水素 ガソリン
価格 110~150円/1Nm3 140~170円/1L
距離あたりの燃費 10~14円/1km(目安) 14~17円/1km(目安)
提供施設 水素ステーション ガソリンスタンド
設置場所 実験的にごく一部 全国各地に多数
注意点 ・距離あたりの燃費は車種によって大きく異なりますので、あくまで目安として参考にして頂ければと思います。

・水素ステーション建設に大きなコストがかかり、それを水素料金に反映する場合は価格が高くなる可能性があります。

・ガソリンには税金がかけられていますが、税率の変更によって価格が大きく変動する可能性があります。

・水素に関しても税金が絶対にかけられないとは限りませんが、国の方針として水素価格を「1Nm3あたり40円」まで下げることを目標としているため、可能性は低いでしょう。

燃料電池車とガソリン車の燃費を比較する際に重要となるもう1つのポイントがあります。それは水素の価格です。現状では「1Nm3あたり110~150円」とされていますが、経済産業省資源エネルギー庁では2030年を目安に「1Nm3あたり40円」を目指しているとの発表がありました。

Nm3(ノルマルリューベ)とは0℃1気圧の標準状態時のガスの体積を表す単位です。前述の通り、水素は気体でガソリンは液体ですので、Nm3を単純にリットルに変換することはできないのですが、上の表の「距離あたりの燃費」をご覧頂ければ現時点でもガソリン車より優れていることが分かります。