地熱発電

ここ数年で特に高い注目を浴びていることから、比較的新しい発電と思われがちですが、日本では1925年に小規模な発電実験が初めて行われました。その後、1966年に日本初の商用地熱発電所が誕生しています。火山帯に属する日本には世界トップクラスの地熱量があるとされていて、これからの発展に期待がかかっています。

仕組み

バイナリー発電の仕組み

後述の通り、地熱発電の仕組みにはいくつかの種類がありますが、上のイラストでは新エネルギーとして定義されているバイナリー発電の仕組みを解説しています。
(イラスト出典:九州電力

主な設備

  • 蒸気井
    地熱貯水槽から蒸気を取り出すための井戸です。

  • 気水分離器
    取り出した蒸気には熱水が含まれていますので、こちらの設備を使って蒸気と熱水を分離します。

  • タービン
    蒸気で回して発電を行うための設備です。発電機と繋がっています。

  • フラッシャー
    気水分離器で分離させた熱水を減圧処理して、蒸気を発生させるための設備です。この蒸気もタービンへと送られます。

  • 復水器
    タービンを回すために使われた蒸気を冷却して、水に戻すための設備です。

  • 還元井
    熱水や復水器で戻された水を地下に送り返すための井戸です。

使用する燃料

何かを燃やして蒸気を発生させるという仕組みではないため、燃料は不要です。

種類

  • ドライスチーム
    蒸気井から取り出した蒸気に熱水がほとんど含まれていない場合に採用される方式です。気水分離器を使わずに、簡単な除湿処理を行うだけで発電できます。

  • シングルフラッシュ
    蒸気に熱水が含まれている場合に採用される方式です。気水分離器を使って蒸気と熱水を分離させます。

  • ダブルフラッシュ
    シングルフラッシュと同様に蒸気と熱水を分離させますが、熱水を減圧処理して更に蒸気を作る方式です。フラッシャーが利用されます。

  • バイナリーサイクル
    地下から熱水しか得られない場合に採用される方式です。熱水を利用して、アンモニアやペンタンなどといった沸点の低い液体を熱して、蒸気を作り出します。その蒸気でタービンを回します。

  • 高温岩体発電
    地下に熱水も蒸気も少ししかない場合に採用される方式です。高温の岩体が存在する場所を見つけ、そこを水圧で破砕します。そして、破砕したところへ水を送り込むことによって蒸気と熱水を得るという仕組みです。

メリット

  • 燃料を必要としない
  • 季節や天候に左右されずに安定した発電ができる
  • 地熱という再生可能エネルギーを利用した発電である
  • 日本は世界第三位の地熱保有量を誇る地熱大国である
  • 使わない熱水を地元の温浴施設に譲渡することもできる

デメリット

  • 温泉に影響を与える可能性がある
  • 調査や開発に非常に長い時間を要する
  • 地熱発電に向いている地域は、国立公園や国定公園などといった開発規制が敷かれている場所が多い

賛成意見

●●地熱発電は火山の熱のみを利用して発電するものであり、害をださないものなので環境面において全面的に賛成です。日本は環太平洋造山帯に属しており、世界有数の火山大国です。火山が多いということは地熱発電が十分可能ということです。

地熱発電は地面の熱のみを利用して発電するため、火力発電のように他国から石油や液化天然ガスのような化石燃料を輸入し二酸化炭素も排出することもなく、原子力発電のように核のごみを出したり、放射能の危険性を危惧するようなこともありません。

日本よりはるかに地熱資源の少ないオーストラリアでさえ地熱発電の有用性を理解し、地熱発電を積極的に利用しようとし、成果をだしています。

日本は地熱資源に恵まれた国であり、化石燃料などの資源が乏しい国です。そんな日本にとってなんら原材料の必要ない地熱発電はもっとも適しているのではないでしょうか。私は国をあげて地熱発電の研究を行い、もっと普及させていくべきだと考えます。

●●私が地熱発電に賛成する理由は、地熱発電の発電量が、風力や太陽光といったほかのクリーンエネルギーに比べて安定している上に、石油などの資源がなくても発電できる点にあります。

電力を作る上でもっとも重要なのは安定性です。昨日は10万kW発電できたのに、今日は3万kWしか発電できなかったということが頻繁に起こると、停電が起こってしまいます。なぜなら、電気は石油と違って備蓄しておくことができないからです。

なので、発電量が不安定な発電方法に頼れば頼るほど、停電の危険が高まっていきます。

そこを考えると、地熱発電は他のクリーンエネルギーに比べて非常に有用です。他のクリーンエネルギーと違い、地熱はいつもほぼ一定なので、「今日はこれだけ発電できる」と、発電量を予測する事が出来るからです。

これが出来る上に、火力発電と違って資源が何もなくても発電できるので、有事にも強いです。火力発電の場合、戦争で石油が輸入できなくなったりすると、発電がストップします。安定性がある上に、有事にも強い地熱発電こそ、クリーンエネルギーの王者と言えるでしょう。

●●火山が多くある日本。これからは、地熱発電はなくてはならない発電の一つとして考えなければならないと思います。

確かに、地熱発電について反対があるのも知っています。温泉街の景観及び温泉の枯渇問題、自然保護の観点から反対意見が出ています。しかし、東日本大震災を経て原子力発電の危険性がわかった今、自然エネルギーを有効活用する事は考える必要があると思います。

まず、地熱発電の場合、化石燃料を使うことがないので環境汚染の心配が要りません。また、資源の枯渇についても自然エネルギーの為、大丈夫です。

火山地帯が国立公園内に多いため、発電所を作ると自然破壊に繋がる恐れがあるという懸念も勿論あります。なので、これからは地熱発電が必要だという事の重要性をたくさんの話し合いで理解してもらう必要があります。

また、温泉街の景観などの問題については、発電所自体を観光の拠点にするとかの工夫が良いと思います。

原子力発電所の近くには原子力をアピールしながら楽しめる施設などがありましたが、地熱発電もこの様な地熱発電に対して分かって貰えるような施設を作るなど工夫する事が大切だと思います。観光と一体する考えです。せっかくの火山国の日本ですから地熱発電を利用するべきだと思います。

反対意見

●●地熱発電は火山の多い日本にあった発電方法だと思っていました。しかし、色々調べてみると、デメリットがいくつもあることがわかりました。

まず一つ目は、騒音と振動の問題です。地熱発電はボーリングで地下深くまで穴を掘るので、その作業の際に出る騒音や振動が近隣住民に悪影響を与えてしまいます。

二つ目は、温泉街に与える影響です。地熱発電に適した場所と温泉街は火山の関係で重なることが多いです。温泉街に地熱発電所ができれば景観を損なってしまいます。また、地熱発電の影響で温泉のお湯が減少したり、枯渇してしまう可能性があります。温泉が出なくなれば温泉街は経営が成り立たなくなってしまいます。

そして、三つ目が地震を誘発する可能性があるということです。地熱発電で生じた不用水を還元した際、地層の構造の変化を引き起こし、ひいては地震が起こることがあるというのです。

地熱発電には様々なメリットもありますが、これらのデメリットがあることも知っておかなくてはいけないと思います。

●●日本は世界有数の火山国です。そのメリットもあってか、再生可能エネルギーである地熱発電の研究開発が進んでいるという話を聞きます。しかし、私は地熱発電という手段には賛成出来ません。

その理由は、発電施設を設置するまでの過程にかかるコストと比べ、得られるエネルギーは低いということからです。確かに、他の国に比べれば地熱発電のポテンシャルがあるかもしれませんが、もっと他の手段に目を向けるべきだと考えています。

例えば、日本は島国で海に面した土地が多いことから水力発電にも適しています。火力発電からのシフトとしては最も適していると考えています。

それに比べ、地熱発電にはデメリットがあります。最近では大規模な地震が発生し、いつ地盤が変形するかわからない状況です。そのような危険性があるときに地熱発電所をたくさん設置しても使えなくなる可能性があるなら、他のエネルギー確保手段に力を入れるべきです。

私が地熱発電に反対する理由は以上になります。経済面・安全面を考慮した上でこのような考えに至りました。

●●地熱発電については、一見すると再生可能エネルギーとして注目を集めていますが、安全性や将来性の面で反対します。確かに、地球内部の熱エネルギーを有効利用することについては、経済性や環境配慮という面で非常にメリットはあります。

しかし、安全性や将来性を考えた場合、不安要素が残っています。そもそも、地熱発電に利用するエネルギーは地球内部のマグマによる熱です。そして、日本の国土全体は基本的に火山帯に属し、死火山という概念が無くなりました。

つまり、いつ火山活動が活発化するか分からない活火山や休火山に該当することとなります。発電効率を重視した場合において、地熱発電所は活火山に設置します。その結果、火山活動がいつ活発化するか不明な状況となり、いつ噴火するかも分からないこととなります。

影響は、発電所の運転停止や、勤務者の生命にまで及ぶ可能性があります。地熱発電については、原子力発電以上に細心の注意が必要であり、最悪の事態は運転停止、並びに発電所の放棄および閉鎖を考慮する必要があります。

実際のところ、火力発電所や原子力発電所よりも、人間の管理が行き届かない可能性が非常に高いとも言えます。

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